よりグローバルになっていく、これからの東京も楽しみ

スペシャルインタビュー:山本美月さん(女優)

 

Interview: Tomoko Yabe, Photos: Tatsuro Kakishima (Pointer), Stylist: Aya Kurosaki (Linx), Hair & Make: MAKI (Linx)
撮影協力:東京都江戸東京博物館

 


 

女優として大活躍中の山本美月さん。現在放送中のNHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」では、当時としてはまだ珍しかった女性記者役を演じ、そのファッションにも注目が集まっています。そんな山本美月さんが東京都江戸東京博物館を訪問。「いだてん」にも登場する凌雲閣の模型を興味深く眺めたり、江戸から昭和の空気感に浸ったりと館内をめぐりながらお話をうかがいました。

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「いだてん」と同時代の資料に注目!

凌雲閣(浅草十二階)(模型)

 現在、NHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」に、明治時代に女性記者の先駆けとなった“本庄”役で出演しています。黎明期のスポーツに興味を持ち、日本初のオリンピック選手を取材するという役どころなのですが、当時「浅草十二階」と呼ばれた凌雲閣に行くシーンもありましたので、ここに来てまず目を引いたのが、凌雲閣の模型でした。セットでも明治時代の浅草の街が再現されているんですが、凌雲閣は中だけの再現でしたし、実物も関東大震災の時に消滅してしまっているので、こうして外観をじっくり見るのは初めて。あの時代に、エレベーターもあったなんてすごいですよね。

 

 本庄は、当時はあまりいなかった女性記者ということもあって、男勝りでちょっと変わっているんですが、ファッショも先取りしていたので、髪型や衣装もすごくおしゃれ。のちにモガ(モダンガール)と呼ばれるタイプの女性で、普段の私とは全然違うのですが、演じながら別人になれる感覚を楽しんでいます。東京ゾーンの展示には大正時代のモガの衣服もありましたが、帽子がすごく可愛い。よく似た帽子を、衣装合わせのときに試しました。明治や大正の頃のファッションって、今見ても素敵だなと思います。

 

 

円タクを再現した自動車(フォードA型4ドアセダン)

 

2020年のオリンピックで、東京がどう変化するのか楽しみ

 東京都江戸東京博物館には、以前雑誌の撮影で来たことがあって、入口に大きな日本橋があったのを覚えています。火消しの纏も持った記憶があります。
 今回改めてじっくりまわってみて、江戸時代の芝居小屋や明治時代の新聞社の建物も復元されていたり、大名の駕籠や人力車に実際に乗れるのもおもしろいですね。駕籠は、少しの距離ならいいけど、あれに長時間乗ると思うと……クッションをいっぱい入れないとムリかな(笑)。人力車は、思っていたより乗り心地がよかったのが意外でした。今度は実際に動いているのに乗ってみたいです。あと、昭和初期にタクシーとして使われていたというフォードA型もカッコいいですね。以前ドラマで、自動車を開発するカーデザイナーの役を演じさせていただいたことがあって、それ以来、乗り物の歴史って楽しいなと思うようになりました。それから、高度経済成長期から現代までに流行ったものが展示されているコーナーで、私が懐かしいと思ったのは90年代後半のキックボード。初代のファミコンも父がゲーム好きで家にあったなあとか、いろいろ思い出しました。

 

体験展示「人力車(複製)」

 「東京とオリンピック」をテーマにした展示も興味深かったです。私はインドア派で、積極的にスポーツを観戦するタイプではなかったんですが、「いだてん」をきっかけに興味がわいてきたところです。2020年のオリンピック、パラリンピック開催を機に、東京がどんなふうに変化するのかにも注目しています。車や電車など交通が便利になったり、宿泊施設が増えたり、街も変わっていくと思うから。よりグローバルになっていく、これからの東京も楽しみにしています。

 

デジタルやCGの作品より、セル画のアニメーションが好き

 私は日本の漫画やアニメが好きです。実写ではできない表現が魅力的だと思っています。だから、漫画家さんの個展を観に行くことも多いかな。物心がついた時には漫画もアニメも好きになっていましたけど、きっかけを挙げるとしたら「美少女戦士セーラームーン」かな。幼い頃に出会い、夢中になりました。特に私が好きなのが、セル画の時代のアニメーションです。デジタルやCGで作られる作品も素敵だし、これからどんどん進化していくと思うんですが、人が描いた絵が動くのが、見ていて楽しいんです。作る側は大変だと思いますけどね。自分でも絵を描くのですが、デジタルで描くのは不慣れなので練習しているところです。

 

絵草紙屋(模型)

 美術館や博物館へは、私の場合は海外が多いんですけど、よく行きますよ。MoMAとかボストン美術館、金沢21世紀美術館も行きました。動物が好きなので、最近だと新国立美術館の「ピエール・ボナール展」に母と一緒に行きました。母は美術教師の資格を持っていて、絵が好きなのでたまに誘ってくれるんです。ボナールは、すごく可愛い猫の絵を描いていて、動物好きの私としてはたまらなかったです。江戸の絵画だと、伊藤若冲のシュールな動物の絵とか、ふわふわの犬の絵などが好きですね。昔の人が描く動物ってデフォルメが可愛い。昔の人たちも、今の私たちと同じように、動物を見て「可愛いなあ」と思いながら絵を描いていたんでしょうね。

山本 美月(やまもと みづき)

1991年福岡生まれ。2009年にモデルデビュー後、女優としても幅広く活躍。待機作にカンテレ・フジテレビ系火9ドラマ『パーフェクトワールド』、映画『ザ・ファブル』(6月21日公開予定)など。

カンテレ・フジテレビ系全国ネット
毎週火曜よる9時ドラマ『パーフェクトワールド』
4月16日スタート

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