前川國男邸

貫地谷しほり × 米山勇(江戸東京たてもの園研究員) 

ル・コルビュジエと弟子の前川國男は正反対のタイプだったんです。

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  • 米山 展覧会を担当した米山勇です。今日は、20世紀最高の建築家ル・コルビュジエと弟子の前川國男を対比する展覧会をご案内いたします。前川の代表作は、上野にある東京文化会館なのですが、ご存知ですか?
  • 貫地谷 上野の美術館や博物館には小学校の遠足でよく行っていたので、思い入れがあります。
  • 米山 世界文化遺産に昨年登録されたコルビュジエの国立西洋美術館と向き合うように、前川が建てたのが東京文化会館です。見比べると呼応している部分が随所にあり、前川がコルビュジエをいかに尊敬しているかがわかると思いますよ。
  • 貫地谷 前川さんは子供時代の写真でバイオリンを弾いていますね。
  • 米山 前川は父親が内務省の土木技師、母親が津軽藩の名門の出で、裕福な家庭で育ちました。彼は東大時代にコルビュジエの本を夢中で読み、卒業と同時に弟子入りのためにフランスへ留学したんです。まだ留学が難しかった1920年代のことです。
  • 貫地谷 すごい情熱を感じます。
  • 米山 コルビュジエは芸術家タイプなので、直感的に生まれたデザインに後から理論をつけたのですが、前川は逆で、先に理論があって後でデザインを考えた学者タイプでした。
  • 貫地谷 なるほど。そういうのが交差しているんですね。
  • 米山 前川は、コルビュジエの影響が強かった時期はコンクリートの打ち放しを多用していましたが、徐々に考えを変え、後年は東京都美術館のようにタイルを使った独自の建築スタイルに行き着いたんです。
  • 貫地谷 私、タイル貼りの東京都美術館の雰囲気がすごく好きです。こうやって建築家の人間像が見えてくると、愛おしくなってきます!

 

江戸東京たてもの園会場

公益財団法人東京都歴史文化財団連携事業 世界遺産登録記念 ル・コルビュジエと前川國男

2017年5月30日(火)~9月10日(日)

※東京文化会館会場は5月31日(水)~
前川國男自邸がある江戸東京たてもの園をはじめ、前川が設計した東京文化会館、東京都美術館でも同時開催!

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