青コレ!(江戸東京たてもの園)

江戸東京たてもの園は、1993年(平成5)に江戸東京博物館の分館として設立されました。約7haの敷地に、文化的価値の高い歴史的建造物を移築し、復元・保存・展示している野外博物館です。
かつて東京都足立区で営業していた銭湯「子宝湯」は、江戸東京たてもの園の中でも人気の建造物です。銭湯に欠せないペンキ絵では、ほっとする「青」が堪能できます。

江戸東京たてもの園 公式ウェブサイト

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江戸東京たてもの園 “復元建造物「子宝湯」ペンキ絵”
復元建造物「子宝湯」外観

復元建造物「子宝湯」外観

江戸東京たてもの園に移築・復元された銭湯「子宝湯」。1929年(昭和4)に東京都足立区千住元町に建てられ、1988年(昭和63)まで営業していました。にぎやかな装飾と社寺建築を思わせる外観を備え、関東大震災後の東京を中心に流行した「東京型銭湯」の特徴を表す建物です。

「子宝湯」浴室内ペンキ絵(男湯)

「子宝湯」浴室内ペンキ絵(男湯)

浴室に入るとまず目に飛び込んでくるのが、ペンキ絵です。その名のとおりペンキで描かれた装飾壁画で、営業中の銭湯では、湿気で絵が傷むため、一年に一回ほど描き直されていました。現在の絵は、移築にともない、ペンキ絵師の中島盛夫氏が1993年(平成5)に描いたものです。
かつては銭湯の象徴的存在だったペンキ絵ですが、時代の変化とともにモザイクタイルやタイル絵の銭湯が多くなりました。最盛期には数十人いたといわれるペンキ絵師は、今ではわずか数名です。

「子宝湯」浴室内ペンキ絵(女湯)

「子宝湯」浴室内ペンキ絵(女湯)

青空の下、海や湖越しに雄大な山を望む風景が広がり、白を基調とした浴室内をさわやかに彩ります。
山の青い色使いが印象的ですが、これは、絵に臨場感をもたらす仕掛けのひとつでもあります。晴天時の昼間の陽光下で遠くの物体は青く見えること、また遠くにあるほど青みが強く見えることを利用した、遠近法のテクニックが駆使されているのです。男湯の富士山、女湯の山並みは、天井の高い浴室の空間に奥行きを与え、開放感をより一層高める効果を生み出しています。

「子宝湯」浴室内ペンキ絵(男湯側から全体を望む)

「子宝湯」浴室内ペンキ絵(男湯側から全体を望む)

日の光や風のにおい、波の音も感じられるような景色に、ゆったりとした気持ちになったり、ちょっとした旅行気分を味わったり。ペンキ絵は、心身に癒しとやすらぎをもたらし、銭湯で過ごす至福のひとときを演出しています。

「子宝湯」360°パノラマビュー(江戸東京たてもの園)

〈特別展〉ぬくもりと希望の空間~ 大銭湯展 2期


江戸東京たてもの園では、特別展「ぬくもりと希望の空間~ 大銭湯展」2期を開催しております。江戸時代から続く銭湯の歴史と文化を多彩な資料でご紹介いたします。

特別展「ぬくもりと希望の空間~ 大銭湯展」2期(江戸東京たてもの園)

期間 2020年10月24日(土)~2021年01月31日(日)
会場 江戸東京たてもの園 展示室
観覧料金 入園料でご覧になれます。

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