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「第12回恵比寿映像祭」(2/7~2/23)が「時間を想像する」をテーマに開幕! 注目の作品をご紹介します。〈東京都写真美術館ほか〉

 

東京都写真美術館をメイン会場とし、恵比寿の街を舞台に開催される「恵比寿映像祭」が今年も開幕しました。恵比寿映像祭は、映像とアートの国際フェスティバルで、第12回となる今回は、17の国と地域から78組95名の作家およびゲストが参加、2020年2月7日(金)から23日(日・祝)までの15日間(※10日(月)、17日(月)を除く)にわたって開催されます。

 

今回の総合テーマは「時間を想像する」。「第12回恵比寿映像祭」のディレクターの田坂博子学芸員は、「時間というものは、人間にとっては一方向に進んでいるように見えます。けれども、映像のなかでは時間を自由に扱うことができる。時間を逆行させたり、縮めたりもできますし、過去と未来を自由に行き来させることも、人間以外が感じる時間の描写も可能です。この映像祭では、さまざまな表現方法で時間を扱う作品を通して、映像の本質に迫っていきたいと思います」と語ります。

 

 

注目の作品3点をご紹介

展示に加え、上映やライヴ、シンポジウムや、スタンプラリーなど多彩なプログラムが展開される恵比寿映像祭について、担当学芸員にそれぞれの見どころを伺いました。

 

見どころ1 屋外の特設ドーム内で迫力の花火映像を!「ハナビリウム

 

《ハナビリウム》[参考図版] ©丸玉屋

 

日本の夏を彩る花火は、江戸時代から400年以上の歴史を持ち、現在も多くの人々を魅了しています。「ハナビリウム」は、プラネタリウム用の教育プログラムとして制作された、実写とCGアニメを組み合わせた映像番組。花火の歴史や技術を伝える物語が、ドーム型の屋外会場で特別上映されます。360度全方位から花火が打ち上がる映像は圧巻。普段は花火師しか見ることができない「花火の真下」からの映像が繰り広げられます。星を見上げるような感覚で、映像を楽しむ特別な体験は、お子さまも喜んでいただけます。

 

オフサイト展示風景≪ハナビリウム≫©丸玉屋

オフサイト展示「ハナビリウム」

会場:恵比寿ガーデンプレイス センター広場(入場無料) 
・会期中いつでもご覧になれます ※2月10日(月)、2月17日(月)は休止。
・タイムテーブル等の詳細はこちら

 

 

 

 

 

見どころ2 ダムタイプ高谷史郎による新作 《Toposcan/Tokyo》

 

高谷史郎 新作委嘱新作《Toposcan/Tokyo》2020

 

メディアアートの草分け的存在として、そして現在も牽引役として国内外で知られるアーティストグループ、ダムタイプ。その中心メンバーとして活動する高谷史郎。恵比寿映像祭では初めての試みとなる委嘱による新作《Toposcan/Tokyo》は、東京を舞台とした映像作品です。東京の時間と風景がどのようにうつしだされるのか、必見です。

 

高谷史郎 新作委嘱作品《Toposcan/Tokyo
会場:日仏会館ギャラリー(入場無料)
・会期中いつでもご覧になれます。 ※2月10日(月)、2月17日(月)は休館。

 

また、2月9日(日)には高谷史郎の活動を追った初のドキュメンタリー映画《SHIRO TAKATANI, BETWEEN NATURE AND TECHNOLOGY》(監督:ジュリオ・ボアト)を日本初公開。上映後は、現在、東京都現代美術館で開催中の展覧会「ダムタイプ|アクション+リフレクション」を企画した、キュレーターで東京都現代美術館参事、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授の長谷川祐子さんと、高谷史郎さんとのトークも開催されます。
上映内容もさることながら、ダムタイプの活動を初期から追っている長谷川さんと高谷さんが何を語りあうのでしょうか。

 

高谷史郎 特別上映+トーク
日時:2月9日(日)18:00-20:00
会場:東京都写真美術館1Fホール
入場:¥1,000(前売)|¥1,500(当日)
※チケットの詳細はこちら

 

ジュリオ・ボアト《SHIRO TAKATANI, BETWEEN NATURE AND TECHNOLOGY》2019 ©Idéale Audience

 

また、同じく都市をテーマした作品で、「2031年の岩手県陸前高田市」を舞台とした物語を元に2018年の陸前高田市で行われたプロジェクトを記録した《二重のまち/交代地のうたを編む》――民話の誕生に立ち会う(小森はるか+瀬尾夏美)等もおすすめです。東京都写真美術館1Fホールでの「上映」プログラムとして、会期中3回上映されます。

 

 

みどころ3 映像から時代を読み解く「東京1964年パラリンピック記録映像」上映と講演

 

図版提供:公益財団法人日本障がい者スポーツ協会

 

1964年の東京オリンピックとあわせて行われた東京パラリンピック大会。この大会を契機として、日本では障がい者スポーツが広く認知されるようになり、普及していきました。本イベントでは、当時の競技や大会運営の模様を伝える45分の記録映像を鑑賞し、その後、専門家とともにパラリンピックの歴史や、過去と現在の時間をつなぐアーカイブ映像の意義を読み解いていきます。

 

[日仏会館共催企画]「東京1964年パラリンピック記録映像」上映と講演 映像によるタイムトラベル
日時: 2月14日(金)18:00‒20:00(17:45開場)
会場:日仏会館ホール
入場:無料(当日17時から日仏会館1Fホール受付にて整理券配布)

 

同じくスポーツ・オリンピックに関連した作品として、アフリカ人初の金メダルを獲得したマラソン選手、アベベの軌跡を辿るインスタレーション、ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・ザニ《移動の自由》も注目です。東京都写真美術館3Fの展示室での「展示」で見ることができます。

 

 

YEBIZO MEETSでさらに恵比寿映像祭を楽しもう

YEBIZO MEETSは、鑑賞者と映像を楽しみ・まなび・かんがえ・めぐるプログラムです。地域の文化施設との連携プログラムやガイドツアー、トークなどが開催されます。参加することで、恵比寿映像祭をより深く知ることができます。

 

地域連携プログラム…恵比寿周辺のギャラリーや文化施設と連携したプログラムのほか、5箇所以上の会場でスタンプを集めるとオリジナルトートバッグ(※)をもらえるスタンプラリーも開催。恵比寿の街も映像祭も堪能できます。

 

※おひとり様につき1個の記念品のお引き換えとなります。記念品は色違い2種類がございますが、ご希望に添えない場合がありますので、予めご了ください。

 

 

 

 

ガイドツアー…解説だけでなく、参加者との対話も通じて鑑賞の手がかりを提供するガイドツアーです。第12回恵比寿映像祭では、中国語ガイドツアーも開催します。

 

トーク&ワークショップ…子どもから大人まで参加できる、鑑賞のヒントになるワークショップなどを開催。抽象的な感想を言葉にする方法を学ぶアートライティングの実践講座や、ジャーナリスト堀潤さんのトークなどのイベントも。

 

 

出品アーティスト・ゲスト(一部)

 

第12回恵比寿映像祭「時間を想像する」 開催概要

会期:2020年2月7日(金)~2月23日(日・祝)[15日間]〈10日(月)、17日(月)休館〉
時間:10:00~20:00 (最終日は18:00まで)
会場:東京都写真美術館、日仏会館、ザ・ガーデンルーム、恵比寿ガーデンプレイス センター広場、地域連携各所ほか
料金:入場無料 ※ 定員制のプログラムは有料
URL:www.yebizo.com

 

 

 

文:浦島 茂世