※部署名と肩書は取材当時のもの
小林:「Meta Bath(メタバス)~デジタルで見る東京型銭湯~」の場合は、オンラインで見せることによって、物理的な距離を越えられることに意味があります。私自身、江戸東京たてもの園で学芸員をしていた時に銭湯をテーマに企画した展覧会「特別展 ぬくもりと希望の空間~大銭湯展」が、コロナ禍で予定通りには開けられずもどかしい思いをしました。これまでも360°カメラの画像や動画公開などを実施していましたが、「もっと見てほしいところ、あるじゃないですか」と口説きましたね(笑)。Meta Bathは天井から見下ろしたアングルなど、デジタルでしか見られない景色もたくさんあって、実物を見慣れている人にも新たな発見があると思います。
[1] Tokyo Museum Collection(ToMuCo)は、都立ミュージアム(江戸東京博物館、東京都写真美術館、東京都現代美術館、東京都庭園美術館、東京都美術館、江戸東京たてもの園)が収蔵する資料・作品を、横断的に検索できるデータベース。
https://museumcollection.tokyo/
田口:「たてもの園ナビ[2]」を通して感じていることですが、海外からの来場者も多く、そういった方は皆さん建築について詳しく知りたがっているのです。デジタル化、多言語化によってそのニーズに応えられたらと思っています。アクセス数や履歴を見ることができるのもデジタルの利点です。フィードバックを受けてよりよいものにしていきたいです。
[2] 「たてもの園ナビ」は江戸東京たてもの園を地図と解説で案内するウェブアプリ。園内ではAR機能を活用した解説もお楽しみいただけます。
(後編につづく)