ぐるっとパス 活用ブログ

【展覧会レビュー】「ファッションとアート 麗しき東西交流」横浜美術館

  • 神奈川・千葉・埼玉
  • 美術館

今回はぐるっとパス2017から新しく加わった、横浜美術館をご紹介します。

みなとみらい地区にあり、魅力的な商業施設や、ショッピングモールの他、赤レンガ倉庫やみなとみらい線で中華街まで足を伸ばせる好立地にある美術館です。
横浜在住の方はもちろん、少し離れたところにお住まいの方もわざわざ出掛けても、きっと満足できることと思います。

6月25日(日)まで、「ファッションとアート 麗しき東西交流」展を開催中です。
※この展覧会は、すでに終了しています。

19世紀後半から20世紀前半のファッションと美術に焦点を当て、横浜を一つの拠点とする東西の文化交流が、人々の生活や美意識にどのような影響を及ぼしたのかを紹介しています。
この展覧会にはぐるっとパスを割引券としてご利用いただけます。

ペール「イヴニング・ドレス」1919年頃 京都服飾文化研究財団蔵

横浜では初めての展示となる京都服飾文化研究財団(KCI)所蔵のドレスや服飾品約100点を中心に、国内外の美術館や個人が所蔵する服飾品、工芸品、絵画、写真など計約200点を展示。
日本と西洋が互いの装いと生活の文化をどのように受容・展開し、新しい美を見出していったかをたどります。
(会期中、一部展示替えがあります。)
*京都服飾文化研究財団(KCI)は、西欧の服飾、及び服飾に関する文献や資料を体系的に収集、保存し、研究、公開する機関です。世界屈指の服飾コレクションを有することでも知られています。


第1章 東西文化の交差点 YOKOHAMA
1859(安政6)年の開港以来、横浜は交易の拠点であるのみならず、東西の文化や情報が行き来する玄関口の役割を担いました。

第1章の展示風景

日本独自の意匠や繊細な技術と西洋人の嗜好を融合させて、真葛焼や横浜焼などの陶磁器、芝山細工の家具、羽二重のドレスなどが横浜の地で作られ、輸出されていきます。

左 日本製 芝山細工飾棚 明治時代 金子コレクション
右 飯田髙島屋「室内着」1906年頃 京都服飾文化研究財団蔵

「昭憲皇太后用大礼服」1910年頃(明治末期)
共立女子大学博物館蔵

「昭憲皇太后用大礼服」1910年頃(明治末期)
共立女子大学博物館蔵

第2章 日本 洋装の受容と広がり
明治維新後、日本政府は西洋の国々に倣った近代国家を目指して西洋文化を積極的に導入しました。
皇族や華族が洋装を取り入れ、鹿鳴館では西洋に影響を受け、舞踏会や音楽会が数多く開かれました。

新年の朝賀の際に着用された昭憲皇太后の大礼服。3mを超すトレーンを引く豪華なドレス(マントー・ド・クレール)で、当時の縫製技術の粋を尽くして製作されました。大小の菊花が日本刺繍で施され、東西の文化が見事に融合しています。

左 山村耕花 「少女」 1935(昭和10)年 横浜美術館蔵(山村行輝氏寄贈)
右 勝田哲 「朝」 1933(昭和8)年 京都市美術館蔵

左 清水市郎「東京廓の婦人」1889(明治22)年頃 横浜美術館蔵(小島豊氏寄贈[小島烏水旧蔵]
右 勝山繁太郎・矢島徳三郎「都之花」1889(明治22)年頃 日本宝飾クラフト学院蔵

画家や版画家、写真家たちは洋装の女性たちをいち早くとり上げました。

第3章 西洋 ジャポニスムの流行
19世紀後半、西洋では、パリやロンドンの万国博覧会に出品された日本の美術品や工芸品が注目を集め、ジャポニスムの大ブームが巻き起こりました。

第3章 展示風景

第3章 展示風景

ファッション界においてもジャポニスムの影響は大きく、ウォルトやシャネルをはじめとする代表的なメゾンがこぞって、日本の着物にインスピレーションを得たドレスを発表しました。

京都服飾文化研究財団(KCI)のドレスのコレクションには見るものを惹きつける華やかさがあり誰もが魅了されることでしょう。
日本の着物の影響を受けた西洋のジャポニスムのコレクションがまとまった形で公開されるのは、20年ぶりとのこと。
これを見逃すとまた、いつ目にすることができるかわからない貴重な機会と言えます。

※このブログ記事は、2017年5月に掲載されたものです。

会場:横浜美術館
http://yokohama.art.museum/

「ファッションとアート 麗しき東西交流」展
会期:2017年4月15日(土)~6月25日(日)
※この展覧会は、すでに終了しています。
休館日:木曜日
開館時間:10:00~18:00*5月17日(水)20:00まで(入館は閉館の30分前まで)
観覧料:一般1,500円、大学・高校生900円、中学生600円、小学生以下無料

ぐるっとパスを割引券としてご利用でき、一般料金の100円引となります。

横浜美術館コレクション展「自然を映す」
会期:2017年3月25日(土)~6月25日(日)
※この展覧会は、すでに終了しています。
休館日:木曜日
開館時間:10:00~18:00*5月17日(水)20:30まで(入館は閉館の30分前まで)
観覧料:一般500円、大学・高校生300円、中学生100円、小学生以下無料
*6月2日(金)は無料

6月25日(日)まで横浜美術館コレクション展「自然を映す」も開催されています。
美術家たちが自然をどう捉え表現してきたかを横浜美術館のコレクションから紹介しています。
一般料金500円のところぐるっとパスで入場できます。
*「ファッションとアート 麗しき東西交流」展観覧当日に限り、コレクション展もご覧になることができます。

「東京・ミュージアム ぐるっとパス2024」は、東京を中心とする103の美術館・博物館等の入場券や割引券が セットになったお得なQRコードチケットです。
使用開始日から2ヶ月間利用可。

人気の記事

電子チケット購入
(ログイン)