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【展覧会レビュー】「絵本はここから始まったーウォルター・クレインの本の仕事」千葉市美術館

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今回は、ぐるっとパス2017に新しく加わった千葉市美術館をご紹介します。
千葉市美術館の建物は千葉市中央区役所との複合施設になっています。昭和2年建造の旧川崎銀行千葉支店の建物を保存・修復したさや堂ホール(1・2階)を包み込むようにして建てられ、平成6年に竣工しました。美術館の受付は8階になります。


5月28日(日)まで、「絵本はここから始まったーウォルター・クレインの本の仕事」を開催しています。
この展覧会には、ぐるっとパスのご利用で一般料金の50%割引の600円で入場することができます。
※この展覧会は、すでに終了しています。


ウォルター・クレイン(1845-1915)は、19世紀後半にイギリスで活躍し、現代の絵本の基礎を築いた重要な画家の一人であり、ウィリアム・モリスとともにアーツ・アンド・クラフツ運動を推進したデザイナーとしても知られています。

この展覧会は、本の仕事を中心にクレインの芸術を本格的に紹介する日本で初めての試みであり、ほぼすべての絵本と主要な挿絵本を網羅する約140点を展示します。

展覧会は4部構成です。
Ⅰ クレインのトイ・ブック ―カラー絵本の始まり
Ⅱ カラー絵本の仕掛人エヴァンズとコールデコット、グリーナウェイの絵本と挿絵本
Ⅲ 本をデザインする ―クレインの挿絵本の仕事
Ⅳ クレインの素顔

クレインは、多色刷木口木版の技術を開発した彫版師・刷師のエドマンド・エヴァンズに才能を見出されました。二人は1865年にトイ・ブック(簡易なつくりの絵本)を生み出します。Ⅰ部では、クレインのトイ・ブックを主に絵本がたくさん紹介されています。

ウォルター・クレイン『シンデレラ』1873年 個人蔵/鶴見大学図書館蔵

みなさんにもおなじみの『シンデレラ』。色使いも華やかで思わず細部まで見入ってしまいます。女性にとってはその衣装も注目したい見どころです。
本なので、各ページを壁面に展示したり、ケースの中に置いて見開きの状態で実物を見られる展示もされています。


会場は広く、ゆとりのあるスペースで1点1点の絵本をじっくりと鑑賞することができます。

ウォルター・クレイン『美女と野獣』1874年 個人蔵

クレインの描いた『美女と野獣』。見開きページ全体の調和を重視したクレインが、1枚の絵を見開き全体に描いたことも革新的でした。
この絵を見てもその画面構成が緻密に計算されたものだとわかります。
主人公の美女は右手に団扇をもっています。クレインは浮世絵から少なからず影響を受けました。ところどころに東洋趣味を垣間見ることができます。その点も見逃さずに鑑賞してみてください。

ウォルター・クレイン『眠り姫』刊行年不詳(初版1876年) 
武蔵野美術大学 美術館・図書館蔵

こちらの『眠り姫』の見開きページからも画面構成の素晴らしさが見て取れます。

1876年以降クレインはトイ・ブックの仕事から手を引きますが、エヴァンズと共同で新たに伝承童謡集『幼児のオペラ』を制作しました。

ウォルター・クレイン『幼児のオペラ』刊行年不詳(初版1877年)
青山学院女子短期大学図書館 オーク・コレクション/中央大学図書館/個人蔵/個人蔵

主にマザーグースの唄が収められた、全36曲からなる歌曲集で、各歌にクレインの挿絵と装飾が添えられています。動物や子どもたちをモチーフとした装飾が五線譜を縁取り、ページ全体が一つのデザインとしてまとめられています。

ウォルター・クレイン『ウォルター・クレインのぬり絵本』1889年
青山学院女子短期大学図書館 オーク・コレクション/町田市立国際版画美術館蔵

ウォルター・クレイン『フローラの饗宴』1889年 個人蔵

もう1点、リトグラフのとても素敵な作品がありました。
花を擬人化して描いた作品集『フローラの饗宴』です。40点の挿絵により花の女神「フローラ」が冬の眠りから花々を呼び覚ましていく様子が語られています。

クレインの描く絵は、全体の構成や細部へのこだわりなど見どころがたくさんで、見る度に新たな気付きがあります。見る人それぞれの楽しみ方があると思いますので、ゆったり時間をとって美術館を訪れることをおすすめいたします。
見終えた後、期待を裏切らない見ごたえが必ずあることと思います。


このような撮影コーナーも設けられています。ぜひ記念にどうぞ。

※このブログ記事は、2017年5月に掲載されたものです。

会場:千葉市美術館
http://www.ccma-net.jp/
開館時間:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)
*入場受付は閉館の30分前まで
休館日:5月1日(月)
美術館へのアクセスはこちらをご参考にしてください。

「絵本はここから始まったーウォルター・クレインの本の仕事」
会期:2017年4月5日(水)~5月28日(日)
※この展覧会は、すでに終了しています。
観覧料:一般1,200円、大学生700円、小中高生は無料

ぐるっとパスのご利用で一般料金の50%割引の600円で入場することができます。

 
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