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【展覧会レビュー】「ジョン・ウッド&ポール・ハリソン 説明しにくいこともある」NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]

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「ジョン・ウッド&ポール・ハリソン 説明しにくいこともある」は、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] (東京オペラシティタワー4階)にて、2015年11月21日(土)から2016年2月21日(日)まで開催中です。
一般入場料500円がぐるっとパスだけで入場できます。
※この展覧会は、すでに終了しています。

「サイモン・フジワラ ホワイトデー」は、東京オペラシティ アートギャラリー(東京オペラシティタワー3階)にて、2016年1月16日(土)から3月27日(日)まで開催されます。
※この展覧会は、すでに終了しています。


ベルリン在住で日本人の父とイギリス人の母を持つアーティストであるフジワラにとって、母国日本での待望の初個展です。
彼の作品は、絵画や立体、ヴィデオなどさまざまな要素を組み合わせて舞台空間のような場面を作ります。

サイモン・フジワラ 《ハロー》 2015 ヴィデオ courtesy of the artist and TARO NASU

この展覧会では、展示室全体を工場の生産ラインとして構成し、作品の一部は会期中に生産されていくとのこと。いったいどのような展示になるのか、期待が高まります。

1月16日(土)~2月21日(日)の期間は、初台の東京オペラシティに行くと、ぐるっとパスでこの2つの展覧会を一挙に観ることができます。

一般入場料500円+1,200円=1,700円がぐるっとパスだけで入場できます。
※この展覧会は、すでに終了しています。

*東京オペラシティは京王新線初台駅直結です。


ここではすでに開催中の「ジョン・ウッド&ポール・ハリソン 説明しにくいこともある」展をご紹介します。


ジョン・ウッド&ポール・ハリソンは、1993年より英国を拠点に、パフォーマンスやアニメーション、建築的なセットやさまざまな装置などの要素を取り入れたヴィデオ作品を共同で制作しています。

今回のICCでの展覧会は、作品のテーマを「パフォーマンス」、「アニメーション」、「物語」、「映画」の4つに分類し、日本初公開となる作品を含む20作品によって構成されています。
彼らの作品はNHKのEテレの番組で紹介されていたこともあり、なじみの深い方もいらっしゃると思います。

映像作品20本の展示というとどのような感じなのか、実際にうかがう前は少し見るのに気合いが必要だったり、単調な展示になっていないのかなどといらぬ心配をしていましたが、実際体験してみると予想を上手に裏切ってくれる見事な展示構成でした。
会場構成は作家自ら携わったとのことで、なるほどとうなづけます。

《二人三脚》 1997年

会場入り口で出迎えてくれるこの作品は、二人の人物が、マシンから発射されるテニスボールをひたすら避けようとする映像です。
ふむふむ、どうやらこの二人の男性がジョン・ウッドとポール・ハリソンらしいぞとみなさんも気付かれることでしょう。

左《装置》 1996年 右《2つの壁のセクション》 1998年

「パフォーマンス」のパートの作品展示風景
左から《板》 1993年、《装置》 1996年、《2つの壁のセクション》 1998年、《26(ドローイングと落下物)》 2001年

今回の展示構成で私がもっとも印象に残ったのは、Bの「アニメーション」のひとつの作品の展示です。

《ノート》 2004年

これはひとつのヴィデオ作品を4つの画面に分けて時間差で映し出しています。
この作品は約50分ほどある長い作品なので、自分の興味をひかれるシーンから入っていくことができます。
4場面を並べて見ることで、また新たな作品として見ることもできます。

「アニメーション」のパートの展示風景。

「アニメーション」より
《マイク/アンプ(ライヒさん、ごめんなさい)》 2007年

「物語」のパートより
《セミオートマティック・ペインティング・マシン》 2014年

「物語」のパートより
左《他にはこれしかないポイント》 2005年
右《高層ビル》 2011年

右の《高層ビル》という作品はひとつの部屋を下に移動しながら映したものを連続するように編集することで高層ビルのように部屋が連続して変化する中でさまざまな場が映し出されていきます。
左の《他にはこれしかないポイント》もひとつの部屋を右に移動したものを連続編集することで場が展開されていきます。
どちらもダイナミックな作品です。

《エルドクンデ(地球の調査)》 2015年

上の3つは《エルドクンデ(地球の調査)》というヴィデオの場面画像です。これは彼らの最新作だそうです。
シニカルでユーモアにあふれた視点を楽しめる作品です。私にとってこの作品も大変興味深く、思わず見入ってしまいました。

「映画」の3作品の展示風景
左から
《DIYVBIED》 2012年
《100回の落下》 2013年
《車/湖》 2014年

ひとつひとつの作品がシンプルなアイディアから生み出された、ユーモラスで意外性や示唆に富んだものです。みなさんがイメージされるよりずっと親しみやすいものです。
こういった作品をご覧になったことのない方にもぜひ気軽に足を運んで、彼らの独特のユーモアの感覚を存分に楽しんでいただきたい展覧会です。


また、ICCには企画展の他に無料で入場できる常設のオープン・スペースもあります。こちらも力の入った見応えのある展示作品が並んでいますので、この機会に立ち寄ってみてください。

※このブログ記事は、2016年1月に掲載されたものです。

NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]

 (東京オペラシティタワー4階)
http://www.ntticc.or.jp/

「ジョン・ウッド&ポール・ハリソン 説明しにくいこともある」
会期:2015年11月21日(土)~2016年2月21日(日)
※この展覧会は、すでに終了しています。
開館時間:11:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:月曜日(祝休日の場合は開館し、翌日休館)
入場料:一般・大学生500円、高校生以下無料

一般入場料500円がぐるっとパスだけで入場できます。

東京オペラシティ アートギャラリー

http://www.operacity.jp/ag/

一般入場料1,200円がぐるっとパスだけで入場できます。

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