ぐるっとパス 活用ブログ

【ぐるっとパスを持って出掛けよう】朝倉彫塑館

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日暮里駅から徒歩5分にある朝倉彫塑館では、12月23日(水・祝)まで「我家吾家物譚(がやがやものがたり)」が開催中です。
一般入場料500円がぐるっとパスだけで入場できます。
※この展覧会は、すでに終了しています。


朝倉彫塑館は、彫刻家朝倉文夫が昭和10年から亡くなる昭和39年まで29年間、アトリエ兼自宅として使用した建物です。
RC構造のアトリエ棟の西洋建築と、竹をモチーフとした数寄屋造りの日本建築により構成されています。


まず、アトリエに入ると、入口では代表作のひとつ「墓守」が出迎えてくれます。
谷中天王寺の墓守をモデルとしたと言われています。


アトリエは広くて天井も高く、朝倉文夫の作品が並んでいます。


こちらも代表作のひとつ「三相」。
「智情意」を表した若い女性の群像。戦後の女性裸像の代表作です。


こちらは書斎です。壁いっぱい天井まで書棚が作りつけられています。
朝倉が収集家、コレクター心を持った方だったのだろうなと私が想像するのは、コレクションの品々が棚に収められていたからです。


これらの小さな壺は整髪用の油壷として使用されたもので、朝倉が妻やまに贈ったものだそうです。形やデザインも様々です。
現在でもほのかに鬢づけ油の甘い香りが漂っているとのことです。


書斎の次の間は応接室です。半円形のソファセットがあります。
応接室にも書棚が置かれています。彫刻家らしく骨格標本もあります。
書棚の本の背表紙を見て、大変貴重な書物が並んでいるのを見るのも秘かな楽しみになります。
訪れた方はぜひチェックしてみてください。


数寄屋造りの日本家屋部分は中庭を中心としてこのような趣ある廊下を歩きながら、各部屋をめぐることになります。


「天王寺玄関」朝倉家本来の玄関です。


中庭には立ち入ることはできませんが、池に鯉が泳いでいたり、置石の配置など工夫されていて、眺めているだけで癒されます。


朝倉彫塑館は順路をたどると、館をひとめぐりできるようになっています。(ただし雨が降っていない場合)
途中にミュージアムグッズを展示している場所もあります。
葉書や図録、箸置きやオリジナルトートバッグなどがあります。

階段を上って2階へ進みます。


「素心の間」
素心とは、いつわりのない心、かざらない心を意味します。落ち着いた風情の和室です。木の棚に壺が飾られています。
朝倉は生花を活けて飾るのを好んだとのことで、花器のコレクションも随所に見受けられます。


木の棚の扉のレリーフにも花瓶の花があしらわれていました。
朝倉の細部にわたる意匠へのこだわりが感じられます。


2階の展示室には現在猫をモチーフとした作品が展示されています。

3階に上ると「朝陽の間」があります。
その名の通り東に窓を大きくとってあります。広間として人が集う部屋だったようです。


3階から屋上庭園へ上る階段。


屋上庭園からはスカイツリーも見えます。


大きなオリーブの木があり、菜園があったり、薔薇などが植えられています。当時は屋上菜園として活用されていました。


現在でも、菜園があり大根や小松菜などの野菜が実際に栽培されていて、収穫もできるそうです。

「ウォーナー博士像」

男性像「砲丸」


建物の入口前から見上げたところ。「砲丸」はアトリエ棟の屋上に配されています。

アトリエ棟の2階に位置する「蘭の間」は趣味の東洋蘭栽培の温室として設けられました。
朝倉文夫は愛猫家で、多いときには10匹以上の猫が飼われていたようで、愛猫をモティーフにした数多くの作品が残されています。
「蘭の間」では常時10体ほどの猫の作品が展示されているため、猫の間とも呼ばれます。

「親子猫」

「吊された猫」

往時の写真


「蘭の間」の階段、手すり、床にも朝倉文夫のこの館へのこだわりが感じ取れます。直線と曲線の調和などに心を配っていたとのことです。
私は自然木を活かしたこの欄干と床のデザインがとても素敵に感じられました。

朝倉彫塑館では12月23日(水・祝)まで、建物に着目した「我家吾家物譚(がやがやものがたり)」が開催中です。
※この展覧会は、すでに終了しています。

このテーマに合せた作品の展示の他、入館者用に朝倉彫塑館の見どころをまとめたチラシも配布されているので、ぜひそのポイントを押さえながら建物も楽しんでください。


人気の谷中ぎんざまで徒歩5分ほどです。谷中の散策ついでに朝倉文夫のこだわりの館を訪ねてみることをおすすめします。

※このブログ記事は、2015年12月に掲載されたものです。

朝倉彫塑館
http://www.taitocity.net/taito/asakura/

「我家吾家物譚(がやがやものがたり)」
会期:2015年9月19日(土)~12月23日(水・祝)
※この展覧会は、すでに終了しています。
開館時間:9:30~16:30(入場は16:00まで)
休館日:月・木曜日(祝日の場合は翌日)
入場料:一般500円、小・中・高校生250円

一般入場料500円がぐるっとパスだけで入場できます。

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