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【展覧会レビュー】「川崎のぼる ~汗と涙と笑いと~展」 三鷹市美術ギャラリー

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今回は三鷹市美術ギャラリーで開催中の「川崎のぼる ~汗と涙と笑いと~展」をご紹介します。
川崎のぼるは約60年におよぶ経歴をもつ、多彩な作品を生み出してきたマンガ家です。梶原一騎原作のマンガ「巨人の星」の作画を担当したマンガ家といえば誰でも思い当るのではないでしょうか。


「川崎のぼる ~汗と涙と笑いと~展」は、10月12日(月・祝)まで開催中。
三鷹市美術ギャラリーはJR三鷹駅南口デッキからすぐのビルCORALの5階にあります。
一般入場料600円がぐるっとパスだけで入場できます。
※この展覧会は、すでに終了しています。

この展覧会は、大阪で貸本漫画家としてデビューした初期の作品から、上京と前後して劇画作家たちと交流した青春時代、1967年から三鷹市に居住し生み出された作品など、戦後マンガ史と共に歩んだ川崎のぼるの約60年にわたる画業をふりかえるものです。

展示は
第1部 一球入魂 ~「巨人の星」連載開始
第2部 一騎当千 ~汗と涙と笑いと
第3部 一意専心 ~マンガ家・川崎のぼる誕生
第4部 一所不在 ~少年誌から青年誌へ
第5部 心機一転 ~絵本・イラスト・熊本での活動
の5部構成になっています。

第1部、一球入魂 ~「巨人の星」連載開始


1966年6月から連載された「巨人の星」は、原作は梶原一騎、作画は川崎のぼるが担当したみなさんもご存じの大人気マンガです。
第1部では、スポ根マンガという一大ジャンルの礎を築いたこの作品の作画を担当するまでの川崎のぼるの活動と「巨人の星」の多数の原画のほか、フィギュア、野球盤などの関連商品を紹介しています。
ちなみに写真にある絵は“大リーグボール養成ギプス”を身につけた飛雄馬ですね。

1966年3月、「巨人の星」連載のため春の甲子園球場にて野球を観戦する川崎のぼる(左)と梶原一騎(右)。

作家のなまの筆あとを感じられる原画を目の当たりにするのは大変興味深い経験です。

©梶原一騎・川崎のぼる/講談社

今見ても新鮮で大胆な構図ですね。

表紙や扉に使われたどの絵からも力強さがほとばしってきます。

関連グッズ、特にフィギュアの多さにも「巨人の星」の今に続く圧倒的な人気が伝わります。

野球盤、懐かしいですね。この玩具、今でもあるのでしょうか?

横尾忠則がデザインした「少年マガジン」表紙。
「血の汗流せ!涙をふくな」「行け行け飛雄馬」アニメの主題歌の歌詞、今でも覚えています。
とゆうか歌えます。そんな方も多いのではないでしょうか?
「巨人の星」は、それくらい一時代を築いたマンガでありアニメですよね。

この第1部には「巨人の星」の連載開始前の川崎の作品も展示されていますが、なかでも週刊少年サンデーに連載された「キャプテン五郎」は連載のきっかけとなった作品です。

「キャプテン五郎」
「巨人の星」の作画を担当するマンガ家を捜していた少年マガジンの編集者は本作をみて川崎のぼるに白羽の矢を立てました。

第2部 一騎当千 ~汗と涙と笑いと


「巨人の星」の連載開始翌年に生み出した「いなかっぺ大将」で、川崎は従来のシリアスな劇画から一転「笑い」の才能を開花させます。

「いなかっぺ大将」
1967年連載開始。最終的には小学一年生から小学六年生まですべての学年誌、幼稚園にて連載されました。

連載当初、主人公の大ちゃんこと大左エ門はけっこう男前です。

でも、大ちゃんといえばこのコミカルな風貌のイメージですよね。

連載当初は大左エ門の明るさとひたむきさで困難を乗り越えるスポーツマンガでした。しかし途中からは笑いに主眼が置かれ、人気上昇にともないキャラクターも丸く柔かな容貌へと変化しました。
この「いなかっぺ大将」は長期に渡る人気マンガとして連載されました。
「ひとつ人より力持ち、ふたつふるさと後にして、、、」「てん、てん、天下のいなかっぺ~」これもアニメの主題歌歌えます。
覚えている方、きっといらっしゃいますよね。

会場内には川崎のぼる文庫が設けられ、実際にマンガを読むこともできます。

第3部 一意専心 ~マンガ家・川崎のぼる誕生


第1部以前にさかのぼり、「マンガ家・川崎のぼる」が誕生するまでの軌跡をたどっています。

第4部 一所不在 ~少年誌から青年誌へ


80年代にかけて川崎は新たに創刊された青年誌に活動の場を広げました。

「新巨人の星」
1976年 週刊読売に梶原一騎とのコンビで連載された「巨人の星」の続編「新巨人の星」。

第5部 心機一転 ~絵本・イラスト・熊本での活動

ここでは、「マンガ家川崎のぼる」の枠からはみだした様々な仕事を紹介しています。


1974年に小学1年生に掲載された「力もちの大作」。

「岩石おばさんとホー 猫の火まつり」2007年
始めて一冊の絵本として仕上げた作品。

川崎のぼるの執筆道具。
これで展示は締めくくられています。
まだまだ、描き続けるんだという作家の熱い思いを感じます。


会場の外には撮影コーナーがあります。
星一徹がテーブルをひっくり返す名シーンですね。

鏡に自分を映して、星一徹に怒られているカットが撮影できるコーナーもあります。

展覧会グッズも販売されています。なんだか元気をもらえそうなグッズたちです。

※このブログ記事は、2015年9月に掲載されたものです。

会場:三鷹市美術ギャラリー
http://www.mitaka.jpn.org/gallery/
開館時間:10:00~20:00(入場は19:30まで)
休館日:月曜日(9月21日、10月12日は開館)、9月24日(木)

「川崎のぼる ~汗と涙と笑いと~展」
※この展覧会は、すでに終了しています。
会期:2015年8月1日(土)~10月12日(月・祝)
入場料:一般600円、65歳以上・学生(高・大)300円
※中学生以下および障害者手帳をお持ちの方は無料

三鷹市美術ギャラリーには、ぐるっとパスだけで入場できます。
企画展により入場料は異なります。

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